Oura活動量(1分単位のMETS値)からの意味 その2

2024年7月中、蒸し暑い日々が続いています。水野裕識(みずのひろのり)です。

Oura活動量(1分単位のMETS値)の意味を見つけたので、報告したい。

センサーからのデータは、どこまでも間接的であり、データのなかに何かを意義・意味を見出さななければならない。その程度の情報量の解像度でも、意味が見出せるなら、それが価値につながる。ここが大事なんだが、データに意味付けするのは後天的だから、当たり前だが、一般には乖離している。

少し分かりやすく言えば、例えば、このセンサー情報は、こころの状態を測ることができるかに応えきれるか、この課題は、なんでこのセンサーで見えるのか、何で解決できるのかを応えるなければならない。

3D加速度センサーを単なる連続的な数字に何をどのように見いだせるのかについて、深く考えてきた。技術として測定できた数値データをどのような意味を見出して上位層と連結しえるかを議論すべきと考える。

Ouraメッツ値は1日1440回得られる。

24時間365日の身体の動き情報はどう表現できるのか、その1つの表現として、この前のブログ記事として説明した。

行動タペストリーは、色が付いたグラフ表現として美しい。現れるパターンや模様から何を意味として感じとることができるだろうか。パターンを訓練をさせて、AIで推論すれば良いかもしれません。

縦軸に1日あたりの1分METS値を累積数(橙線)を示す。

下限値は限られていて、1750程度。上限は、1週別に跳ねるが、運動量に比例していることがわかる。

Ouraの1分METS値の累積数グラフ

Ouraの1分METS値の累積数グラフ

青線は、10日平均線です。ここで青線の振動しているように見えるが、大きく上下しているわけではない。さらに緑線は、30日平均線。

この間の累積値の平均は、ほぼ2000である。

Ouraの1分METS値の累積数グラフ

Ouraの1分METS値の累積数グラフ

これから、捉えたい実践すべき内容は以下の通りである。

①アスリートのグラフは、このピークの跳ねた日付がさらに大きく増える。平均値は高くなる。アスリートの怪我を予防するためには、行動数量から何か分かるものだろうか。

②行動障害(例えば鬱)になると、行動量は低下する。行動障害が起きる前の行動数量から何か気づけることがあるだろうか。

③高齢者の累積平均値は下がる。年齢と、性別で、どこで、どのようにグラフが上下するのか、他の睡眠の状態とも合わせて、フレイルの状態について何か分かるだろうか。

このような傾向が分かるとしたら、自治体の方や、様々な協力頂ける皆さまと一緒に確認させていただきつつ、最終的には自分自身の状態への振り返りにつなげていけると考えている。

おそらく、数年のうちに、AGIとともに社会変化が大きく起きるこれからの時代において、自身で今の状態を知り、ヘルスケア対策として、これからの自分の身体、心を守ることに使われるべきであり、きめ細かく対応していけるべきではないかと考えている。①②③の連携については、水野(hm@bbjpn.com)までお願いします。

 

Oura活動量からU分布(METS値)を意味を理解してみる

2024年初夏、今年も暑くなりそうですね。水野裕識(みずのひろのり)です。

1日の身体運動の分布は、U分布に従うことを、矢野さんは示された。

Ouraリングの活動量を使って、このU分布に従うかどうかを確認してみたい。約半年間の行動タペストリーを表示する。これは1分単位のMETS値の塊となっている。

MET値のグラフ表現

MET値のグラフ表現

人の行動は、活動的な人でもそうでない人でも、U分布に律速されるということであった。この行動タペストリーから、MET値の出現確率を求めて、横軸METS、縦軸に対数として表現した。これは、U分布に見えるのだが、いかがだろう。

MET値と出現確率の月別グラフ ほぼU分布

MET値と出現確率の月別グラフ ほぼU分布

普通の生活をしていて、激しい動きをし続けるなんてことはないわけだから、高いMET値が多く出てくることは想像してない。15以上METSが急に垂れるのはそういうことだ。月別に表示しているが、どの月も馬の背中からしっぽのようなグラフになっている。

運動強度とエネルギ消費量

テレビを座ってみることや車に乗ることは1.0メッツ、座って会話や食事、デスクワークは1.5メッツ、料理や洗濯、着替え、洗面、シャワー、家の中を歩くなどは2.0メッツ、ウォーキングや掃除は3.0メッツ

日常生活においては、この程度の動作がほとんどを占めるのだろう。2.5メッツぐらいまでを拡大してみる。

MET値と出現確率の月別グラフ 2.5まで

MET値と出現確率の月別グラフ 2.5まで

1.1にガクンとする箇所がある(この左側は睡眠(約0.9METS)の横になった領域で、右側が日中の行動領域と思う)は、月別のラインはほぼ近い曲線を描いている。2月3月4月の曲線が他の月を下回る。時に2月の曲線が一番下にあり、1以上のMETSの動きが制約を受けている。

これは何を意味するのか?本人に尋ねると、2-4月は開発への対応が大変だったらしく、椅子に座り続けた生活であったそうだ。つまり、椅子に座り続けることは、高いMETSは、ほぼ現れにくい状態であったということになる。

5月に少し解放されて、6月はほぼ解放されたという表現からも、水色(6月)のMETS値が一番上にきている。このことは、身体の動作にも表れて、このグラフの結果が得られていると思う。

この直線やカーブを一人ひとりの動きの個性と捉え、動きの平均や分散から逸脱していたら、それに意味を与えることができるのだと思う。行動障害(鬱)になると行動が非常にゆっくりとしてしまうから、データをみつづけてあげることで、行動分類に使えるのではないか。

つぎに、非活動時間を見てみよう。

月別 非活動累積時間

月別 非活動累積時間

4月(水色)が群を抜いて非活動時間が累積している。4月は椅子に座っている時間が非常に長かった生活と推測しえる。ついで2月3月も高く推移している。

一日の時間は誰もが24時間。そのうち、仕事時間が伸びれば、その他の生活時間を短くせざるを得ない。かつ、椅子に縛られている時間が長いということは、本来U分布に従うべき、様々な行動がとることができないわけであるから、自由度がない状態としてこの期間を過ごしたということになる。

この方の場合は、非活動時間が長く(仕事時間に比例すると考えられる)、その他の生活時間である睡眠時間への影響もあると思うが、その評価は次回検討してみようと思う。

今回はOuraで取れる1分単位の行動量から推定されるMET値が、U分布に従っていそうだと理解ができた。

 

Oura新機能 心血管年齢:脈波伝搬速度PMW 心肺機能:最大酸素摂取量VO2max

Ouraユーザーの皆さま

24年6月、Ouraからヘルスケアを見守る新しい指標が現れました。

昨年の15分刻みのストレス表示機能にも驚きましたが、今回はヘルスケアに関する大きな2つの機能となります。

新機能 その1 心血管年齢

PMW脈波伝搬速度 から、年齢に比例する、血管の硬さを推定します。

成人病が血管の炎症から生じることから、血管をしなやかに弾力性がある状態を維持できているかどうかを、推定できる指標として、ヘルスケア産業に新しい風が吹きそうです。

年齢枠より少しでも低い値をだしたいと誰もが願うことでしょうが、実際には加齢とともに、弾力を失って硬化してしまうのが現実でしょう。

それでも、長期の運動を継続して行うことにより、この速度を少しでも抑えることができるようです。

新機能 その2 心肺機能 

最大酸素摂取量 VO2max を推定します。6分間の歩行テストの結果として、この値を求めます。こちらも多くの酸素が体内に摂取できることで、少しでも加齢と向かい合いたいと思えるのではないでしょうか。

心肺機能はいつでも測定することができます。心血管年齢は過去14日間の結果として毎週更新して表示されます。

Oura Cardiovascular Age White Paper_BBJ翻訳.pdf

長い目でみると、この数値と向き合うことにより、年齢と比べても若い健康な状態が維持できることを目指しましょう。もしかすると、健康寿命を延ばせるかもしれません。Ouraユーザは、これまで睡眠スコアやコンディションスコアを高める訓練をしてきました。上手く眠りにつけるワザを身に着けることができました。ここからは心血管年齢を若くするような行動も取り入れていければと思います。

ヘルスケアに向けた長い旅に、一緒に出掛けましょう。

 

 

もう1時間の眠りで、日本を前に進めよう。

未病予防事業の成長可能性について

健康経営や、ヘルスケア産業の文脈における社会的な認知は、進んできました。健康のままQOLの高い人生を送ることに日本全体が進むべき方向にあると云われている。

上記は、経済産業省がまとめる、ヘルスケアサービス社会事業の売上予測です。

高齢化に伴う社会保障の観点から、政府は65歳、あるいは70歳以上になっても、社会的に繋がり続けて、できれば長く働き続けることを期待しているようです。私たちは、病気を予防し、未病のまま、これに応え続けたいと考えます。

生体情報を測定するスマートリング・睡眠リングについては、この図の測定(上から2番目)と予防(下から2番目)に該当する領域に該当すると考えております。

ヘルスケア産業の概念図の真ん中に、現在の医療分野の領域が入っています。その周りを取り囲む領域(薄い緑色)が、ヘルスケア産業の対象領域です。

新しい健康社会の実現に向けた「アクションプラン2023」(案)の4頁目には、色付けされた同内容の図が見えます。社会全体で、健康保持と増進を目的として捉え直す機運を感じています。

これまでは、病気になってから医療で治す部分に大きな投資がなされてきましたが、これからは病気になる前から病気にならないようにするために、投資するという考え方の必要を同時に感じられます。

滋賀医科大学の矢野裕一郎教授らは、健康経営の会社を対象に大規模調査を実施してまとめておられます。

分析対象は、1,593社(従業員数4,359,834人)であり、従業員の平均年齢は40.3歳、女性比率は25.8%であった。

日本の企業の営業利益と健康関連項目の関係を調査した結果です。その結果、以下の項目は営業利益と正の相関があり、営業利益が高い企業ほど、これらの項目の値が高くなる傾向があることがわかりました。

  • 喫煙者割合:喫煙者の割合が低い企業ほど、営業利益が高い。
  • 睡眠により十分な休養が取れている人の割合:睡眠により十分な休養が取れている人の割合が高い企業ほど、営業利益が高い。
  • 運動習慣者割合:運動習慣者の割合が高い企業ほど営業利益が高い。

また、以下の項目は営業利益と負の相関があり、営業利益が高い企業ほど、これらの項目の値が低くなる傾向があることがわかりました。

  • 医療費:従業員1人当たりの医療費が高い企業ほど、営業利益が低い。
  • 離職者数:離職者数が多い企業ほど、営業利益が低い。

しかしながら、日本人全体の睡眠時間を各国と比較しますと、いまだに、諸外国の最下位6時間10分です。(OECD報告で年変動はあるが、上位国との差異は同じ)

各国睡眠時間

引用元 https://ouraring.com/blog/category/oura-101/oura-in-research/

私たち日本人の目標としてそろそろこのワーストから脱すべき時期にきているのではないでしょうか。

睡眠時間が短いことを自虐的に伝えることを、そろそろ止めにしませんか。しっかりと十分に睡眠を取った企業のほうが、業績が高いという成果が出始めているのですから、そろそろしかるべく時間を眠るように社会全体を動かしていくことが大切ではないでしょうか。

以下は、OECD.org から ChatGTPでグラフにしたものです。一日24時間を何に使っているのかというパート別に分けた内容で、日本は最左の青線に位置します。これをみますと、労働が突出しています。だいたい諸外国と比較して、70-90分ほど多い。その分、無給労働と、睡眠が削られているように見えます。

生活時間比較

生活時間比較

以下の図は、2018年と少し古いデータですが、縦軸が睡眠時間、横軸が一人当たりGDPです。諸外国と比較して、一人当たりのGDPも低いままで、睡眠も削って頑張る日本という姿が垣間見えます。

しかし裏を返すと、諸外国のほとんどは、日本人よりも60-90分も良く寝ており、さらに一人当たりのGDPも高いので、とても効率が良く働いて稼いでいるように見える。よく眠りながら、短時間に働いていることが読み取れます。

つまり、この事実から、睡眠を削って働くというこれまでのやり方そのものが、先進諸国と比較して、だいぶ遅れている考え方であると気づきます。

 

この図は単なる相関関係を示した話であって、(睡眠が短い⇒一人GDPが低い理由にならない)因果の説明になってないと思われた方もいらっしゃることでしょう。私も、当初そう思っていました。ところが、慶応大学の山本教授のご研究により、因果関係について説明をしているように見えます。

調査した会社や対象領域にある社員のデータから、睡眠時間が伸びると、利益率変化(直近・一年後)が高いことを導きだしています。

この事実は、十分な睡眠時間が取れて眠れている方は、日々回復ができているわけですから、一日の活動度も上昇するということで、そうしたコンディションの良い社員が、たくさんいる企業が業績が高まるというのは、ごくごく自然に考えられます。

そして、眠れていないことに対する日本全体の遺失利益を示した報告書もあります。

2016年Rand研究所の発表によると、日本は眠れてないということだけで、20兆円もの損害を被っているという内容です。これは労働生産人口で割ると、労働者一人あたり26.7万円となります。もしも100名の事業者であれば、2670万に相当するため、本来得られたはずの利益であると考えると、とても大きく感じます。

睡眠損失

引用元 https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR1791.html

この事実から、睡眠とコンディションへの企業の投資が行われることに繋がると予想できます。

ここまでで、諸外国より1時間以上眠れてない日本は、睡眠時間最下位という状態にあることで、本来創出できた富を遺失する事実を、目にしました。睡眠時間を確保して時間と質の良い睡眠を確保したほうがいいのです。

ここから、私たちができることは何かですが、シンプルに言うと、

**もう1時間余分に眠るです。Let’s Sleep for One More Hour.

more hour sleep

Let’s sleep for one more hour

それが実現されたとき、皆さんが元気になって、日本に活力が戻ってくる。**

自身の睡眠を理解して、生活を改善してみてはどうかと思います。

健康経営とは、従業員の健康を経営戦略の一部として捉え、健康に関する取り組みを積極的に行うことです。健康経営を行うことで、従業員のパフォーマンスや満足度、ロイヤリティが向上し、組織の生産性や競争力が高まります。

健康経営の取り組みの一つとして、睡眠リング(oura)を導入することをおすすめしています。 睡眠リングは、睡眠、心拍数、体温などの健康データを正確に測定することができる指輪型の健康トラッカーです。このようなデータは、従業員の健康状態を把握し、改善するために役立ちます。

睡眠リングは、従業員の健康管理だけでなく、メンタルヘルス管理や組織のエンゲージメント向上にも役立つツールとして活用することができます。従業員に自分の健康データを共有する機能も備えています。これにより、従業員同士や上司と部下などのコミュニケーションやフィードバックが促進されます。これは、従業員のエンゲージメントやチームワークを高める効果が期待できます。

Oura社とパートナーシップを築いてきた取扱店として、私たちは睡眠リング(Oura Ring)の販売に力を入れています。睡眠リング(Oura Ring)は、従業員の健康管理やメンタルヘルス管理、エンゲージメント向上など、様々な用途に活用することができます。

健康経営における睡眠に関するサービスをご要望の方がいらっしゃいましたら、ご相談、お待ちしております。睡眠リングを使って、従業員の健康と幸せを守りましょう。

Let’sleepfor onemore hour

Let’s sleep for one more hour

お問い合わせ|健康情報、未病・医療情報サービスのブロードバンドジャパン株式会社

wellness tokyo 2023 基調講演しました

健康増進・未病対策に関する総合展「Wellness Tokyo 2023」のセミナーで講演をしました。満席で、盛況でした。

私は、「ビッグデータから見えること」を題目に、何十億件、何百億件とデータが生体情報が積まれることで、個々人の生体内特性を明らかにして、健康に役立つ可能性と、国を超えて多くのデータが集まることで、社会性・ソーシャルに影響を与えられる可能性についてお伝えしました。

日本のセンサーは非常に精度が高く、そのデータを積み上げられれば、フローとコンテキストから、そのデータの相関を明らかとし、さらに社会的にはどういう意味を持つのかまでを踏み込んで因果を説明しえること、さらにはデータから予測が可能になるので先に手が打てる可能性があるというお話をいたしました。

wellnesstokyo2023講演

wellnesstokyo2023講演


最後に、柳沢正史 先生(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長・株式会社S’UIMIN代表取締役社長)と、ロペズ,ギヨーム 先生(青山学院大学理工学部教授)と、セッションをおこないました。

世界的な睡眠研究者、ご高名な柳沢先生と、直接お話をさせて頂き、睡眠研究の奥深さに感動いたしました。ロペズ先生の先進的なウェラブルデバイス研究につきましても、取り組むべき課題が多く残されていることを感じました。

今回、このような貴重な機会を頂けました関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。