事業想像はたやすい

事業を想像することはたやすいが、事業を創造することは難しく、さらに維持・継続にいたってはもっと難しい。若いころは夢想してこんなサービス、あんなサービスとつぎつぎとアイデアが浮かんでは消えていた。最近、世界と競争する製薬業界の研究者と話をする機会があったが、万に1つ生まれれば良いということであった。研究人生において、新薬を産み出さぬまま定年を迎えるというケースもあるとのこと。

0から1を創造することは、なんと大変なことだろう。ただ、研究者の使命として、それに挑まないわけにはいかない。過去の資産がキャッシュリッチにある会社は、まだ研究開発投資にむけられるのだろうが、ベンチャー企業はまったくこうはいかない。

そもそも投下資本がないので、日々の生きる糧をどうやって得るかという難題を解決しようとするうちに、流されてしまうケースも多い。私も会社を10数年やってきて思うのだが、常に崖っぷちというか、背水の陣である。

想いは適うというが、そんな想うだけでなしとげられるほど、物事はたやすくない。強い想いがあって創造してみたところで、世の中の流れであっという間に追い抜かされたり、社会ニーズが育ってなかったりで、維持継続が困難になる。

株式会社は1000万(有限会社300万)で作れた時代があった。当然こんな資本金では、事業を継続させるには簡単に底をついてしまうわけで、ベンチャーは魅力のあるテーマを語り、資本注入を心がけるわけであるが、オーナである持ち分比率も当然ながら下がってくる。自分の会社が、自分の会社ではなくなる日がくる。それだけ、社会性があり公益性の高い事業であれば、売上、利益も追従して、利益から株主配当を出せるのだろうが、こんな優良企業は会社の数からすると0.1%にみたない。

会社を維持・継続させる難しさは、並大抵ではできないと分かるが、それでも新しいサービスを生み出そう、受け入れてもらおうという気概を持ち続けなければならない。時代の流れやスピードが早い、世界規模での競争のこの時代に合った価値を創造して、上手くあてられることが大切。スキルは教育では身につけられると思うが、あてる技術(センス)を得るにはどうしたらいいのだろう。スキルとセンスを同時に身につくかという問題。センスは、現場で、四苦八苦するなかで、みずから会得するものだと思っている。そういう意味で、苦しみを味わうことも大切なんだと思います。

今日は暖かいですね、この暖かい東京のcafeから、こんなブログを書いてみました。

 

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