ザ・チームを読了

先日FIBC2014のフォーラムに参加をしたときに、斎藤ウィリアム浩幸さんの招待講演を拝聴する機会があった。現在は内閣府科学技術・IT戦略担当をなさっているようで、次からつぎへのスライドが大変に興味深かった。この講演に刺激を受けて、日本は個人主義が進み、米国はチームで鍛えるという帯がついた『ザ・チーム』を早速購入して読んでみた。

斎藤氏による基調講演 『イノベーションは失敗から生まれる、失敗を許容する文化を』

前半は、彼の経歴が述べられており、日本と米国の両面を観ていて、多様性のなかに生まれ、進取の精神から、出る釘を伸ばすことに成功されたのだろう。日本人の同質性と横並び意識とは、違った感覚である。進取の気質をもって飛び出していくことを、なんらためらいものなく実践していることは、素晴らしいし、文章中には、いろいろな驚かされる内容が散りばめられているが、短期間に1万2千人と名刺交換をした、そのほか様々な行動力はすさまじい。

いまの日本には、リスクを取り挑戦すること、やりたい事に挑戦することを、奨励すべきだという話。いまの日本の社会構造はあまりに不都合だと嘆く。終身雇用、新卒採用がまだ幅を効かせていることが、どれだけ、挑戦や冒険から意識が遠のくのか。

自由な発想を持って、幅広い視野のなかから、革新的なサービスが生まれてくるとおっしゃっている。挑戦する環境と、挑戦したなかで上手くいかなかったときの経験を社会として積む(失敗という言葉は使いたくない、次の成功に向けた経験!!経験できて良かった。)、さらに救済策(セイフティネット)が張りめぐらされていて、次のステージに移行できることなどは、これからの日本を考える上で大変示唆に富む発言であると思う。

こうした土壌にすこしずつでも変化してくれば、新卒とか中途の概念は無くなって、できる人ができるプロジェクトに配置されて、自然に結果が出てくるというのは理想ではないか。どちらが先というのではないだろうが、時間とともに、社会構造全体が、活性化されるようになるという。

私も自分の会社を経営してみて、日々挑戦をしているつもりだが、思うように行かない点も多々ある。この本は、勇気づけられる一冊であった。この『挑戦できる社会へ』のテーマは賛同したい。国民全体が、こうした意識にかわっていけるように、マインドセットを行う必要があるのだろう。手にとってお読み頂くことをお薦めしたい一冊である。

 

 

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