ITサービス提供の心構え

ITソリューションの価値を認めてもらえるにはどうしたらいいのか、ITビジネスの難しさは、まさにこの点にある。中小企業には支払える限度があって、スクラッチでゼロから開発するようなことはしない(というか、440万中小企業はIT投資がそもそもできないか、あまりやる気もないというところだろう)。毎月ランニング費用を経費化して、サービスを利用するだけにみえる。

広告モデルがあるので、たくさん利用できるならば、このランニング費用を0円にすることも可能だ。グノシーが広告費8億円を投下して、100万人単位のアプリ利用者を獲得したという。確かそのときの広告単価は1500円前後と言われる。ニュースアプリを使ってもらうために、一人あたり1500円を先に投下して、百万単位の視聴者を獲得する。これから自前広告で回収をはかるのだろう。ニュースキュレーションアプリは、これだけではないので、飽きられないような工夫が必要となる。アプリを見なくなれば、このソフト価値は0となる。だから、一日のプッシュメッセージを8時、12時のように送りつけてくる。そのニュースタイトルが刺激的でなければならない。いわゆる、釣りタイトルが乱舞することになる。このスタイルは、なにかがおかしい。 オンライン系のゲームも同じ方法をとる。飽きられない運用、バトル設定など、利用者の動向を把握しながら、少しずつ煽る手法である。これを世界規模で実施できるならば、爆発的な利益を産み出す。だから、その方法をいち早くつかまえるように会社側もしのぎを削る。

グローバル・オープンな世界は、利権など存在しない世界である。誰もがはいりこむことができるし、その差別化のために、日々壮絶な戦いが行われている。電波利権に護られていれば、その参入障壁が高いため、テレビ会社を新規に立ちあげたという話は聞かない。ソフトウエアビジネスは、その障壁は低い。特許で護るといっても、たかだか知れているのではないかと思う。オープンソースコードは、誰でも使えるので、それを使って、つねにあたらしいクリエイティブを出し続ける覚悟があるかどうか。チームラボやカヤックなどは、そのクリエイティブへの挑戦を続けていると思う。そういった新しい感性で、新しい世界を作り出せるかどうかだと思う。

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