人口が減るから、日本は衰退するはNOなんだそうです。

人口が減るから、日本は衰退するに、経済学の答えはNOなのだそうです。マクロ経済をご専門の吉川洋先生の「人口と日本経済(長寿、イノベーション、経済成長)」中公新書を読んだ感想を書いてみよう。

人口と日本経済

人口と日本経済

少子高齢化と経済成長の4ページ目の(a)の図にあるように、1950年を起点としたGDPの伸びに対して、人口の伸びは低く抑えらえている。

このことから、経済成長は、人口に比例するものではないという。高齢化に伴い、工事現場に若い人がいなくなり、労働継承がされずであるとか、右肩あがりの経済は終わりをつげ、労働数の減少にともない、経済は右下がり、低成長のまま推移するなどいうメディアの喧伝に、思考回路がロックされている。

働く人の数が減れば、つくりだされるモノの数も減少する。

私の頭のなかは、この論理そのものだった。しかし、上の図を見ると、過去150年間経済の伸びと人口の伸びは比例していない。つまり、経済成長(GDP伸長)と、人口はほとんど関係がないようである。

経済成長率と人口の伸び率の差とは、労働生産性が成長したからという。それは、一人あたりの所得の成長に相当する。労働人口が変化しなくても、一人当たりののつくり出すモノの量が増えれば、経済は大きく成長する。

労働生産性って何よということで、気合が足りないから、売れないんだ、長時間の労働を、根性据えて、どんどんやり抜けばいいのだというようなイメージをこの言葉には抱いてしまうのだが。さらに、高齢化にともない、気合とか根性も薄れて、長時間労働も相対的にできなくなるので、労働生産性も低下するのではないかとも思う。

労働生産性の上昇させる最大要因は、新しい設備・機械を投入する「資本の蓄積」と、広い意味での「技術進歩」「イノベーション」であるそうだ。労働生産性を上げるために何が必要か、どうしたらいいかは、努力・汗というよりも、知恵だとわかる。

例としてスターバックスをあげている。特別優れたハードな技術があるとは思えないが、店舗空間における新しいコンセプト、マニュアル、ブランドの醸成という総合的なソフトパワーが開花をした結果、国際競争力をもって、全世界へスタバは進出を果たした。この誕生こそが、経済分野における技術進歩であり、イノベーションなんだそうだ。プロセッサーの開発などというハード一辺倒な話ではないことも理解しておく必要がある。

内部資本の蓄積について、9月6日の麻生大臣が興味深い発言をしている。この生産性をあげることを行う一方で、企業の内部留保が伸びていることを伝え、なんとかしてほしいとおっしゃっています。これからの日本の経営者は、ため込んでばかりいないで、どこにどう投資をしていくかを、いままさに求められているようです。このご発言をみると、景気は良くなるのではないでしょうか。

問)  今日、財務大臣としての連続在任期間が戦後歴代1位となりましたけれども、デフレ脱却や経済再生と財政再建の両立という政権の大きな目標はまだ道半ばな部分もあると思いますが、今日時点、大臣の御感想をよろしくお願いします。
答)  長くやればいいというものではないとは思いますが、この間、約3年9カ月ぐらいになるのだと思いますが、その間に企業の経常利益は史上空前に、そして国 の税収が約15兆円増え、新規国債発行が約10兆円減り、プライマリーバランス半減目標は達成できました。デフレ不況からの脱却というのがこの内閣の優先 順位一番に掲げてきていましたから、その意味では目標を達成しつつあるのだと思っています。1番目の矢の日銀の金融緩和、2番目の財務省の機動的な財政政 策、そして、3本目の矢で民間投資を喚起するというところについて、企業収益は上がっているのは間違いないのですが、その企業収益が大きくたまって、内部 留保がこの3年間で、この間9月1日発表で23兆4,900億円と出ていましたから、合計73~74兆、したがってトータルで約370兆ぐらいになってき ています。一方、設備投資等で資産がありますので、その設備投資が全部で8兆円増加していますし、企業の中で留まっていたものが、全部が現金ではありませ ん。3本目の矢の給与・賞与が昨年度までは3,100億円ぐらいしかなかったものが、9月には2兆円台に乗ってきていますから、方向としては少しずついっ ているんだとは思いますけれども、現預金等も200兆円を超えていると思います。だから明らかに不動産を含めれば、そういった設備投資等で増えているとい う面は確かにありますけれども、現預金の比率が今でもそれだけあるというのは、どういうつもりなのかよくわかりません。労働分配率も77、78%あったも のが今70%切って67、68%ぐらいだろうと思います。労働分配率がもう少し増えてこないとどうにもならないというのが、GDPの6割が個人消費になり ますから、個人消費が増えていくために政府でやる仕事は、生産性が上がるようなことをやりますけれども、それに応えて私のところも何とかしようという気に 民間側がならないとどうにもなりませんから、そこのところが私どもとしてもよくわからないところで、一番頭の痛いところです。

変化の速度が加速する時代の事業とは

変化の速度が加速する時代にあって、当社の方針は機動性を高めて、顧客に対応をしていくという方針を取っている。これは単に反応が早いとか、返答が早いという営業的な視点のことを指すものではない。

時代が変化しているとは、お客様自体もその変化にぶちあたっている可能性が高い。会社として、あるポジションを採用したとすると、そのポジションの優位性が瞬くまに押し流される可能性があるということになる。資本(人・モノ・金)をかけて、そのポジションを採るということに、経営者としては、とてつもなく恐怖を覚える時代になっているはずである。

あるタイミングでは行けると思い、投資額も決めて、担当責任者も決めて、いざスタートするも、その売り上げがあがり、さらに利益が伸長するには、それなりの時間が必要である。おそろしいことに、ここに死の谷があるが、これが一体いつまで投資を食いつぶすのかで、経営者の資質が問われる。

いまだかつて、こんなに変動が早い時代があったのだろうか。歴史を紐解いてもおそらくないのではないのではないだろうか。持たざる経営。Google、マイクロソフト、Facebook、Amazonはともに、ソフトウエア・プラットフォームモノを提供し、サーバと人以外に何か大きな設備を有しているか。彼らの価値(バリュー)は一体なんだったのだろうか。

資材を右から左に移すコストは大きいが、ネットワークのビット移動コストは非常に小さい。万人が簡単にコピーできるファイルを作りだすこと、このファイルを高速に地球の裏側まで届けること。これを瞬時に行ってしまっているサービスを提供している会社の売り上げ・利益率がとても高い。そもそも、モノを創り出し、そのモノに価値を付けて、値段をつけて売り出すというスタイルは、変化速度が加速する時代に、もう合っていないことは自明だ。

さて、では、変化が加速する時代において、お客様自体の事業構造もかわらざるをえないのだが、この変化を支援することは、サービスとして成立するのではないかという考えを展開してみたい。お客様の変化を後押しするサービスについて、それは何かを少しずつ紐解いていけたらと考えている。