クラウド化のさきにあるもの

あなたの情報は、遠い国のどこかのサーバのなかに格納されている。あなたはそれがどこの国のどこにあるかを知るよしもない。あなたは、情報を取り出したいときに、そくざに取り出せる。(使い勝手が良いと感じること)その情報に関わる計算を行わせたい時に、前よりも結果が早く得られること(最新サーバにし続けるのはクラウド会社側にある)や、最近ランニングコストも下がってきたなど(スケールアップによるサーバ数の増加)から、日々クラウドの恩恵を感じている。

アマゾン社の設備増強の話を聞いていると、世界最大のサーバを提供している会社と理解できる。そのスケールアップのスピードは、半端なものではない。アマゾンがネットショッピング会社ではなく、世界最大のサーバ利用機会を提供する会社なのだ。使い先を開拓するためにアマゾンの営業舞台も100人単位で増強しているという。規模の経済である。使うから借りる。使うから安くなる。そして、また次も使うというサイクルをどんどんと回している。世界規模でのアマゾン社のサーバ数は、日々数百台単位で増えているようだ。(アマゾン担当者から資料もらったのだが、どこかに行ってしまった、ウル覚え)リージョン単位に、猛烈な勢いでサーバが立ち上がっている。このセンター管理者をたったのx人で運営というのも驚き。世の中でおきている最先端の事実は、日々の私たちの想像の域を超えている。

昔話。ファンのうるさい音、ヒートシンクの冷たさ、CPUの熱、DCセンタの風切り音などという体感は、もうどうでも良い。あるのはブラウザー上の仮想的な制御パネルだけ。ここのもう1台使うというスイッチをいれさえすれば、つかえるサーバが増える。新サーバは数分でもうあなたのものなので、この便利さから離れることはできない。

クラウドは便利、良かったね。それは分かったけれど、だから。。

クラウド化の先になにがあるのだろうか。

その答えが欲しい。YES。

一言でいうと、クラウドサービスは、専業サービスの連携に入る。それぞれのクラウド上の得意なサービスを相手方に提供する。もう1段上のレイヤ間でのつながりが発生してくるイメージになると思います。(データリンク層の上のIP層、TCP層、HTTP層、クラウド層?、データ連携層??。。。)

利用時間あたり課金、流れたデータ量による課金、APIによる問合せ回数課金など、さまざまな方式により、チャージされるだろう。金融分野の特殊データを除けば、この課金体系は、(クラウド利用料金÷利用者数)×数%のように、なると予想される。

このあたりのビジネス化、課金モデルを如何に作り出せるか、そういった発想力が問われている。ただ廉価サーバを安価に貸しますよの次のモデルづくりです。さらに、その方式が広く世の中に利用されるようになるのかが、この数年のクラウド化の動きを決めると思う。

当社の一部事業では、同じ動きが出てきている。ある特殊なデータ(そのクラウドサーバにしかない)をウェブ越しに受け取り、クラウドサーバ内で加工して、サーバ内データベースに格納したあと、これまた別会社の専業サーバ内にセットしている。位置・空間は関係なく、時間軸のずれを如何になくして、最終結果を戻してやるかという話である。サーバ同士があたかも有機的に連携をして、1つの仕事を遂行する。計算処理が付加価値となり、既存データだけではなしえない、ある目的がある結果を産み出す。違う人からみたら、その情報が価値を産む。

このようなサーバ連携・データ連携から、ビジネスを産み出す部分を、みなさんと一緒にビジネス化できたらと思います。自分のところで何ができるという自分主体の考えは、ビジネスでみると狭い側面しかあらわしていない。

次のステージは、データ連携やビジネス連携のなかから、もう1段上のフレーミングのなかから、次のステージのビジネスを産み出せるはずである。競争から共創へ。

そのためには、関わる人々は、とくに世の中の最先端でおきていることを知り、その先にある何かを想像する力を働かせていかなければならない。SI業には、クラウドのデータ連携をつかったビジネス連携に踏み込める人材が必要なんだ。(いつの時代にも、想像力が重要なんだねw)