クラウドに移行するメリット 事業サイドからの視点

会社の事業を進める過程で、仮に小さくても資産を持つべきか、あるいは持たざるべきかで悩みます。

個々人の例でいえば、一戸建て/マンションを買うべきか、それとも借りるべきかは、同じ悩みかもしれません。夢の一戸建を購入、とうとう家主になったあという安堵感もつかの間、毎月の住宅ローンやボーナス支払いで何十年も支払いを続けることへの約束。毎年の固定資産税、都市計画税があり、出口では相続税も待っています。所有への満足と、トータルでの支払いを天秤にかけて、あまりある何かがあるから購入するのだと思います。

それと似ているかどうか、事業主もハードウエアを所有すべきか、それとも借りるべきかで悩みます。

法律で、資産の耐用年数は決まっています。サーバーの例では、4年で償却になります。仮に100万円で購入したサーバは、毎年すこしずつ経費で落とします。たとえばパソコンの耐用年数4年経つと、その価値が少なくなっていき、購入したときの価値の10%(残存簿価)になります。その間の、90%を減価償却の費用で落としていくのです。100万円で買ったものをそのまま経費ではおちることなく、毎年20万ちょっとずつ落としていくのだと思います。これをリースにしたら、3万円近くお支払いすることになるのでしょうか。

ここで、資産(原価償却)にするか、リースにするか、それともクラウドから借りるかの選択が待っています。

ハードウェアコスト、所有コストなど、経営者としては高いと思いつつ、「そういうものか」と支払っていた費用が、自社設備環境にはありました。

一括で購入するには、まず現金が必要です。購入を決めた時点で、頭で、キャッシュがでてしまいます。お金が最初に出て行ってしまうことをしたくない経営者は多いのではないでしょうか。つぎの考えは、リースで購入をして、リース代金を損金にすることでしょうか。クラウドの使用料は、B/S(バランスシート)上、固定費から流動費に移せるますから、B/Sの右側が小さくなります。

ここで質問ですが、ITビジネスが、すこしの間に、大きく成長したらどうでしょうか。翌年も、その翌年も利用者の伸びに合わせて、サーバを購入して、設置運営をして、資産にしていかなければないのでしょうか。その反対に、そのビジネスが1年で終わることが分かってしまったら、最初に大きな設備投資をするでしょうか。さらにいうと、1年で終わっているのに、設備を保有しつづけて、残りの年数は、リース料を支払いを続けるでしょうか。

答えは、おそらく、否(NO)ですよね。

当たり前ですが、ビジネスには変化がつきものです。変化するビジネスに合わせて、サーバを自由に借りることができ、その利用料金は使った分だけ支払いができるとしたら、ビジネスデザインに良い影響を与えるでしょうか。

クラウドサービスの料金は、最初の初期は小さくからでき、しかも毎月払いでできるのです。ビジネスが伸長するのであれば、お借りする設備を少しずつ増やし、サービスが終了するのであれば、その時点でサービスを即座に終了することができるのです。これは大きな事業メリットではないかと思います。ジャストインタイムに、設備をつけたり外したりができることは、大きなメリットであり、お金の支払いもそれに沿って行えばいいのです。

そもそも、経営者にとっては、新しいビジネスや新しいシステムをはじめる際の最大のネックとなっていました。

  1. 初期費用(=ハードウェア調達費用)が必要。
  2. サーバ所有コストが必要(場所・電気代あど)
  3. ハードウェア故障による障害の心配がある。
  4. サーバがインターネットから隔離されている場合、出張によるコスト・それに伴う要員調整・スケジュールロス etc

こうした不利益から解放されるサービスであるクラウドを使わない手はないと思いますが、いかがでしょうか。