情報の背番号化(レトロが来る)

1993年頃、まだ検索エンジンの名前もなかった頃、日本初の検索エンジン千里眼が早稲田大学で産み落とされた。当時、大学で情報支援のお手伝いをしていた私は、研究室で隣の席に座っていた田村さんが作る千里眼のデータ取得プログラムの凄さをまじかで観ていた。日本全国にデータ取得のロボットを走らせて、よなよなデータを集めては、日本初の検索エンジンが動き出していた。(検索エンジンとしてみたら、もしかすると世界初だったのかもしれない。)その後、しばらくして米国からランクページアルゴリズムを実装したグーグルが出てきた。

検索語を入力して、それに近しいページが表示される方式により、グーグルは世界制覇を果たした。それでいいものだろうか、情報処理に携わるものとして、なにか日本初の検索できる仕掛けづくりを、その後もずっと思っていた。

そんななかで、1999年3月(もう15年も前になる)に人工知能学会で情報検索の新しい仕組みを提案する機会をえた。検索エンジンでキーワードを検索するのではなくて、欲しい情報が勝手に利用者に転送されてくるという着想であった。ただ、いろいろな条件が重なり、アイデアの実現方法がいまいちできなかったこともあり、アイデアの発案だけで終わった。

その後も、キーワード検索にすっかり飼い慣らされてしまった。世界中のひとは、検索といえばグーグル方式でしょうと、とくにアイデアすら出てこなくなってしまったように思う。

問い合わせと配送の一体化した検索システム

次世代インターネットの能動的網内サービス」、「次世代インターネットの能動的網内サービス

あれから、20年の月日が流れた。

最近、ピコラボ社の小林社長と知り合うきっかけを得た。

彼の発想は、『情報の背番号化』にある。全ての情報を番号でアクセスできるようにするという。

とても面白いアイデアだと思う。もしかすると、新しい検索の軸を提供し、新しい情報検索の世界を切り拓いてくれる可能性があるとも感じている。

利点をあげると、①長いURLを覚えなくてもいい(覚えられないw)②検索しなくても情報が引き出せる③屋外広告でもすぐに使える(AR、QRだのカメラを接写してられない)④全世界の3Dも体系化⑤位置情報としても使える(渋谷ハチ公前は、1234。番号はある位置をあらわす)⑥従来の番号体系(ISBNなど)とも相性が良い。

あとはどうやって皆でプロモーションして使っていくかによるのだと思う。

日本初の発想、アイデアの方式を育てて、ビジネス化していくことが求められる、協力したいと思う。この情報の背番号化に、興味が有る方は、私まで連絡ください。

この記事を書いたのが2014年3月26日である。ビジネスに応用が効きそうな情報技術を目にすると、いまでもワクワクする。なんとか世界標準にして、世界中で使って貰えるようにならないだろうかと思います。

これから、この情報の背番号化が普及したときには、またこの記事を思い出してみたいと思う。