ビッグデータ・アプローチ

4月半ばに、ヤフージャパンが景気指数を独自に発表したことを記憶されている方は多いと思います。

政府が発表する景気指数は、遅れがある(実際3ヶ月に一度)という事実があり、、ビッグ・データから今の景気の状態を表すことができたら面白かろうというプロジェクトだと思います。

2012年検索された75億語から、日々検索される60万語まで絞り込み、さらに景気と高い相関関係にある、206の単語に絞ることができたとあります。私はもっと数万語、数十万語規模になるのではないかと思いましたが、200程度の単語で表されるとは、思いの外少ないという印象でした。

過去の景気動向指数から、リアルタイム景気指数を、概ね予測ができそうとの発表でした。

従来のように地区・商品別集計から、動向分析までが数ヶ月かかっていた方法とは違った視点で、日々検索される単語からマクロ経済指標を算出できる可能性を示したことは、とても興味深い。これは、ビッグ・データの可能性を示した話だと思いました。

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精度の向上した指標を提供できるならば、金融業界と組んで新しい金融商品を立ち上げることが可能になるでしょう。こうした独自の経済指標によって、これから景気が落ちこむという予測されるならば、金融先物を先んじて売りはじめることも可能と思われます。その手前でも、マクロ指標を手にしたいと思う中間の業者も存在するかもしれません。

この発表は、年75億件も検索されるヤフージャパンだからできる所業だと思いますが、これまでは無駄なデータと思って捨て去られていたアナログデータは、デジタルデータ化としてその価値を見つだす機運が高まるのだと思います。そのデータの相関から、新しい知見がどんどん発見される時代に入ったのだと思います。

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