ソフトウエアは国内で開発すべきか、オフショアで開発すべきか

2000年前後からオフショア開発は注目されだしました。最近のオフショアはどうなっているのでしょう。結果、アジアで行うことは当たり前になったと思います。2000年から換算をすると、10年経過をしてソフトウエア開発を、海外で行うことは当たり前のことになりました。

製造メーカの工場が海外に出て行ったのと同じように、開発現場も言語・コミュニケーションの壁と、開発品質の担保が出来る体制が組み上げることができれば、日本で開発製造する必要はなくなりました。世界にいる開発技術者を日本の単価のそれこそ10分の1で対応頂けるということであれば、国内開発を行う意味はありません(と、まずは言い切ってみます)。

需要と供給ですから、需要が供給をうわまわれば、単価は上昇しますし、その逆であれば単価は下がります。日本のエンジニアの単価は、グローバルの製造単価に見合った形でしか定義されないことになります。最近では、中国沿岸部の開発単価は、年々上昇をして、いま日本の若い方の単価に近づいてきているようにも感じます。さらに、国内地方のエンジニア単価は、東京の7-8割程度ですから、今度は海外に発注するよりも、地方のエンジニアに回したほうが良いという逆転現象すら、見られるようになってきました。

オフショア開発での日本のソフトウエア技術者の受難がここに見て取れます。下流工程におけるプログラム開発は、日本である必要がないため、技術者は上流に向かうしか道は残されていないことになります。そして、下流のプログラム製造現場を知らぬまま、技術仕様を固める技術者が増えていく傾向にあるようです。そうなると、今度はプログラムを書く経験がそもそもないまま、仕様だけを固めるということになりますから、それでいいのかとも思いますが、現実そういうことなので仕方ありません。

ソフト開発と引き合いに出されるのは、建設業です。建築家が、木材を調達して、現場釘を打つことはありません。建築家は、CAD図面を描くことができる能力で対価を頂くので、実際の現場で、誰が作り上げるかについては問題にならないと思います。

こういうことだと理解をしています。たとえば、画面と機能を一体にした仕様書を、正確に表わすことができる技術者が求められている。こうした流れのなか、いまの開発現場に入ってくる若手の技術者は、正直お気の毒という感じがします。この現実を目の当たりにすると、IT技術者、とくに開発現場を、目指したいと思うでしょうか。いつから、こんな状態になってしまったのか、その理由はあるのか、そして打開策はあるのかというのは、いずれ書いてみたいとは思います。正直、いろいろと問題をはらんでいます。こうした業界に特有な状態を理解して、業界全体がよりよくなる方向に向かうにはどうすべきかを考える時期にあると思っています。(派遣業の孫請け問題含めて、いいたいことはたくさんあります)

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