資本主義の行く末について

昨日もNHKスペシャルを興味深く、観させてもらった。

米国300兆円、中国の4兆元を、世界にあふれさせた。大国の信用力、とくにドルは基軸通過なので、いくらでもお金を作り出せる。この溢れたお金が、新興国(テレビではブラジル、インド)に流れ出す。流れこむお金に、段階的に金利を付けて、防戦するも300兆円に対して、300億円では、10000:1も違うため、流入や流出を止めるだけのチカラもなかったということだ。

投資家のお金は、高い金利、高い成長産業の国に、どんどん移動するということになる。リーマン後に米国経済が落ち込み、相対的な成長が見込める新興国に少しずつ流れていったところに、大きな波として、FRBの量的緩和策のお金が新興国に流れ込んだ。かくいう日本における量的緩和の話は、今回は抜け落ちていたようである。米国経済が持ち直してきたとみるやいなや、今度は新興国からお金が逆流しはじめて、米国にどんどん集まっていく。

世界に販売を持つ日本のベアリングメーカの部長が、この資金の流れや異変に気付き、それでも利益を上げるために、奮闘する映像が流れていた。実体経済を支えているこうした産業とは、大きく乖離して仮想投資経済が世界各国を翻弄している様子を見て取れた。

大国になれば、なんでもできるという奢りを感じざるをえないと思った。米国が繁栄すれば良いみたいな、米国人の奢りのようなものを感じてしまった。米国の冨は1%の富裕層と、残り99%庶民みたいな構図で語られており、その格差は猛烈である。また、そもそも一人あたりのエネルギー消費量が、日本の倍以上も使っている米国人。覇権国家として、できる手をすべてとってしまうような後味の悪い感じも残している。

なんか、大国のくしゃみ程度ならまだしも、信用力にもとづいて、お金を創造して世界に行き渡らせたり、その反対に戻させたりすることによって、世界経済全体を不安定にさせているのも、じつは大国なのだろう。

この流れの先にあるものは、もしかすると、資本主義経済が終焉に近づいている兆候なのかもしれない。

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