睡眠パターンを知り、日々のパフォーマンスをあげられるか?(答えはYES)

水野裕識(みずのひろのり)です。

前回のブログから更新がないというお声がけを頂き、そろそろ、第5波も静かになりつつあるようですので、ここしばらく、私は何を考え、何をしてきたのかについて説明しようと思います。

10年ほど前から医療分野に進出したいと願ってきました。この日本にはとても素晴らしい小型のセンサーがあり、生体情報(心拍数・RRI値)を精度よく取ることの事業応用についても検討してきました。

ここ最近は、フィンランドのOURAという指輪型センサーを装着し続けて、睡眠パターンをモニターしたり、他社の方の睡眠をいかに上手に取るかについて、支援してきました。

いまでは、製薬会社と一緒に、サッカー選手の睡眠をモニターする機会も頂きながら、日々の生活のなかで、ピークパフォーマンスを作り出すにはどのような睡眠パターンを描くとよいかについて、支援しています。チーム全員の睡眠パターンがそろったら、もし朝選手全員が快適に目覚めたその日のサッカーの試合がどうなるかを知りたいです。

OURAの大量データが示すように、実はこの大きな禍において、人の睡眠はどうなったかというと、早く眠るようになったこともわかっています。大禍前の世界中の人々の睡眠は必要以上に後ろに倒れていたり、土日がとくに遅く眠る傾向があったのですが、大禍後にひとは良く眠るようになったということが指示されるようになった。安静時心拍数が低下したという意味は、世界中の人の眠りがしっかりと取れるようになったということを示しています。その意味からすると、逆説的ですが、統計上は世界の多くの人の睡眠を良くしたともいえるわけです。

睡眠という事象を、センサーによりデータを蓄積し続けることで、その人の眠りのリズム(概日性・サーカディアンリズム)を見ることができ、その眠り方ではピークパフォーマンスは出せないですよと、もっとこういう眠り方に注意をされたほうがいいですねとまで、お知らせできるサービスを提供できるようになりました。

人は、老若男女、その人固有の生体情報を発しています。その動きの1つとして、睡眠パターンがあるわけですが、それ以外にも非常にたくさんの生体情報がいま観測されては捨てられている状況にあるわけです。人は生み落とされた瞬間から、老化するプロセスに入ってしまうわけですが、できることなら、老化のプロセスを上手に過ごして生きたいと思います。

最近、意識しはじめたのは、この未病たる過程を少し明らかにしてみたらどうか、定義したりできないだろうかという点に興味がわいています。

病気になってから、向かう先は、これまで通り、病院しかないと思います。現代を生きる私たちは、小型のセンサー機器や映像・高精細な画像による、様々な生体信号を取りだめることで、実は、この未病をかなりのレベルで知ることができる時代を生きています。少し踏み込んでいえば、病気に至るプロセスの前の、身体の壊れ具合を計測データにより、知ることができる時代に居るということになります。

その1つの事例が、連続する睡眠パターンの分析であり、その比較から予測ができ、さらには、何らかの予防を意識したり、日中のピークパフォーマンスを自ら主体的に設計できるようになってきたということです。もっといえば、こういう意識をさらに進めることで、その組織全体へのパフォーマンスにも影響し、組織のパフォーマンス設計に応用可能だということです。

睡眠をしるというのは生体信号のなかの夜間の行動の意味付けであるわけですが、こういうデータは他にもたくさんあるわけで、これらを扱っていくために、内科医と歯科医を代表とする、新会社を、この10月に創設いたしました。

恐れずいえば、元気なうちから、元気のプロセスを最大限愉しむために、健康な人は何をしるべきか、なすべきかをサービスとして提供しえるのだと気づきました。

このような動きの中心にいるために、この10か月は奔走しておりました。新会社の詳細は、追ってまたご報告していきたいと思います。