観光情報学

今年のゴールデンウィーク、穏やかに過ぎ去ろうとしている。北朝鮮と米国の丁々発止がいまだ続いているなか、何事もおこることなく日々過ごせているのは、たいへんにありがたい。

今後の展開や、いろいろなお客様への対応を練るには、どうしても、まとまった時間が必要であり、GWのような長期のお休みは、誠に貴重である。普段いかないような場所を訪問し、調査を実施し、人への相談・交わり、さまざまな書籍・文献にあたるなど、いろいろな思考を巡らせて、次の活動への充電をおこなうようにしている。

明日からまたお客様のための活動に時間を割くこととなるが、鋭気を養い、感覚も研ぎ澄ましながら、明日からの対応に精を出したいものだ。

このGWのかなり時間を割いたのは、観光分野の情報学分野。いろいろと調べた。2000万人を超える訪日外国人はいったいどのような人たちが、どこに滞在をして、何をどう見ているのかについて調べた。たとえば、写真投稿サイトであるFlickrの写真は、GPSと一緒に投稿される。この写真投稿について分析した資料を見て、訪日外人の回遊状態が分かるようだ。

経産省が提供する地域経済分析サイト(RESAS)と、たとえばFlickrの掛け算による分析結果は、場所への滞留時間、移動のパターンなどを明らかにできると予想する。浅草近辺で、写真撮影スポットがどこに集中しているのか、その理由はなぜか。札幌時計台・横浜大観覧車が、もっとも撮影される時間はいつかなど、興味深い結果を知ることができた。

多くの外国人がその行動をとる理由に想像し、新しい観光資源をどう伝えたら効果的だろう、その観光資源を事前にどう認知させたりできるかまでも考えが及ぶ。訪日前のネット調査はおもに観光サイトを通して目に触れていて、来日後は、様々な観光情報マップを手にしながら、手探りで情報を集めているように見える。

浅草を訪れる日本人は年間4000万人、外国人数は500万人で一人あたりの消費額6000円弱。浅草界隈だけで2700億円の消費がある。仲見世通りのお店は、売れに売れて仕方なかろう。

日本全体での統計数字はこちらから見て取れる。訪日外国人消費動向(H29.3.31)年4兆円弱が消費されている。この数字を、海外からの直接投資とみなせば、おもてなし観光は、たいへん大きな投資産業である。今後4000万人を超える目標設定がなされているので、この数字はさらに増していくだろう、単純計算で8兆円にもなる。

当然ながら、海外からの観光者を地方にお連れして、その経済、地域の観光資源に振りむけていくことができないものかと考えている。地域から何か新しいことをという発想も大事だとは思うが、外からくる一時的な旅行者を受け止めて、長く滞在をしてもらうという発想で地域の活性化を捉えなおしてみてはいかがだろうか。地方飛行場の発着整備、交通ルートの作成、長期滞在に向けた観光地資源の見直しなど、いろいろな発想が出てくるのではないか。