慶応大SFCの設楽剛先生のセミナーを受けました。

セミナーはひき続いて、慶応大の設楽先生(設楽剛事務所 代表)のマーケティングセミナーになりました。

新しい潮流としてのマーケティングは、競争から協働へ向かっており、物語を語る(StoryTelling)ことを通して、人々(顧客)との価値観を形成していく方向性に向かうそうです。

長々と製品スペックの話をしていてもはじまりません。それも大切ですが、これからのマーケティングにはもっと大切なことがあるというお話。1950年頃、作って売るの時代でした。つぎに1990年頃には、感じ取って対応する時代に移行した。市場調査をして、つぎに作るべき製品を絞り込むマーケッターは、その頃の1つの手法ではあった。いまからは、顧客とともにということで、顧客との関係づくりを行い、一緒に関係を深める、進化するようになっていきますよというお話でした。

とても深いお話でしたので、理解を越えてしまう部分、ついていけていない部分もあったとは思いますが、すこしでも理解しえた部分を書きますね。

言葉の使い方で、実は、どの時代に所属しているかが分かるようです。『単一製品を販売するだけではない。売り込みという表現はしない。顧客の囲い込みという表現も使わない』ようです。如何に顧客を囲い込み、クロスセル・リピート化するかというマーケティングに、わたしも随分と毒されてきました。でもでもといいたくなる自分がいました。だって、ジェイ・エイブラハムのハイパワー・マーケティングも、こんな売り方があるのかと、なんと面白いと読みふけったが、こういう手法はもう通じないのかと少々不安になりました。

顧客がビジネスを支配する時代になっているのだから、顧客との関係づくりに徹したほうが良いらしい。まだ見ぬお客様との関係をつくるには、企業は『場を提供し、ファシリテーター』とセットになって、中立に顧客の体験をしてもらえるようにしていく方法が良いそうです。顧客との関係づくりによって、メンバーシップが生まれ、さらにコミュニティが形作られるようにしたら良いとおっしゃっていました。

反対の考えは、これまでの市場原理主義にもとづいた管理・競争社会だそうです。市場シェアを少しでもあげるための考え方、企業としての振る舞いを要求され、日々どうすれば競争相手から顧客を奪うか、そのために自社の製品・マーケはどうあるべきかという話ですね。別に、同じ土俵(レッド・オーシャン)で戦いあわなくてもいいんじゃないか、ブルーオーシャンに気づいてないだけでしょ、まだまだブルーシーはあるから、そこを目指そうよということで、やはりビジョンは大切みたいです。(ただ、私のような普通の人には、ビジョンを、なかなか語れないのですよね、とほほ)

お話をお伺いしている途中で、なぜか、頭のなかで、ダイソンのCMが流れだしました。上手く説明ができないのですが、ダイソンの手法は顧客との関係づくりが上手く、顧客体験をたったの15秒で説明しきっているので、パッと浮かんだのかもしれません。(しかし、あの女性の声は、印象に残る、、と思いませんか、ダイソンの新製品ヒータのテレビCM→視聴はこちらから(笑)) あと、ダイソンの定理→ここから

掃除機は皆、テクノロジーの限界で、フィルターが目詰まりし、
吸引力が息切れして、こんなにゴミを取り残していました。
ダイソンは違います。
15万Gもの遠心力で、ミクロのゴミまで分離するので、目詰まりもなく、吸引力は決して衰えません。
つまり、あなたのお部屋はどこまでもクリーン。
ダイソン。吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機。

 

『ひとと人との関係づくりは、長期にわたり、相互関係を形作り、相互信頼を醸成していくことで、脱競争から共進化していく』のでしょうね。エジプトなどのアラブの春に象徴される市民が独裁を倒していく様子も、何か通じ合うところがあるのかなと思いました。

そうはいいましても、競争原理に基づく競争販売手法も、まだまだ続いているというのも現実でしょうから、これからソーシャルメディアの発展などと相まって、『顧客とともに(Co-Learning)という考え方に、シフトする』のだろうと感じました。

たぶん、完全に理解できてはいないと思いますが、そのような世界に移行していくということで、私たちのような小企業でも、何か行動に移していけたらと思いました。

これからのマーケティングを学ぶ良い機会であり、貴重な場でした。ありがとうございます。