スマートリングを広く活用するにはという視点から活動をつづけています。
水野裕識(みずのひろのり)です。
最近、大手企業様とのミーティングでも、対象を誰ににするとよいのかという話になりました。
睡眠の不調を訴える社員全体に着けて頂くことができれば良いはずです。また、ご自身の環境が、大きく変わってしまった方に着けて頂くのが良さそうだという話になりつつあります。
生体情報は、非常に客観的な数字です。客観的とは、心拍数や心拍変動を、意識して変化することができない数字だということです。また、心拍数が心拍変動そのものから、普通の人ではその良し悪しを語ることは、難しいです。
昨今のスマートリングには、スコアという総合的な指標があります。これは、とても利用価値の高い数字です。睡眠スコアとコンディションスコアは、50-70で良くない、70-85は良い、85以上は非常に良いという風に睡眠と体調を表わしてくれます。一般の人は、このスコアを見て安心したり不安になったりします。
これらのスコア値は、要素要因として7-9のパラメターを分析して、このスコアが計算されるようになっています。このスコアを少し高めるには、この複数の要因を理解して、対応することで、スコアを意識して高めることができます。
私は、常に複数のリングを身に着けていますので、このリングの特性は誰よりも理解しています。
今回は2つのリングの睡眠スコアと体調スコアを比較した結果をお示ししたいと思います。2つのリングとは、OuraリングとUltraHumanリングの睡眠スコアと体調スコア(期間:2024-12-10~2025-03-12)の比較です。
2つのリングが出してくるスコアに相関があるかどうかについてです。
私はこのリングスコアを観ているので、自身の主観とこれらのスコアの相関について把握しています。統計学的にはどうなのか、評価をしてみたいと思います。
左の図は、2つのリングの睡眠スコアが、2つの相関係数ともに、相関があったと判断できました。ピアソンの相関係数では、ほぼ0.7に近いので、睡眠スコアは非常に近い判定をしているという結果であります。
右の図は、2つのリングのコンディションスコアが、2つの相関係数ともに、相関係数値から、相関があると出ました。睡眠スコアほど強くはありませんが、0.5以上なので体調スコアは近い値を出していることになります。
左の図は、横軸がOuraの睡眠スコア、縦軸がUltraHumanの睡眠スコアです。睡眠スコアがかなり強い相関があるという意味は、この水色の線にスコアが寄っていることでわかります。右の図は、コンディションスコアの相関を示すものですが、左の図のようには相関が強くはないものの、正の相関があるということを示しています。
この結果から、2つのスマートリングが毎日私たちに出してくるスコアは似ているものであり、睡眠スコアはかなり似ているといえます。ともに複数の要因分析をしながら、スコア値を出しているので、その要因が少し違っていたとしても、スコアとしてみると、かなり近い値として見ることができると理解することができるでしょう。左の図は、睡眠スコアが上下の緑線の幅に注目したときに、平均と上下の信頼区間(95%)の幅の中に、スコア値が収まっている様子がみられます。このことからも、睡眠スコアが2つのリング同士で、強い相関があるということがわかります。一方、右の図の体調スコアは、睡眠スコアほど強い相関はないものの、信頼区間の範囲収まっていて、相関は見られると判断できています。
ここまでで何が言えるかというと、2つのスマートリングの睡眠と体調スコアには正の相関があって、概ね似たような数字を出してくるということで、自身の体感ともマッチしてくるということになります。この体感ともマッチの具合がとても大事であり、このスコアを高めるにはあと何を実践すれば良いのかという考え方にも通じ、行動変容にもつながっていくこととなります。
分かりやすい事例でお伝えします。
夜間寝る直前まで、ワインを飲み食事もしてたら、心拍数は高いまま変動も低位のままで眠りにつくことなります。この心拍数の高い状態が、眠っているはずなのに、何時間も続くことを検出したときに、睡眠スコアと体調スコアは低くするように判定されるということになります。ですので、眠る前のアルコールや飲食は、理想の睡眠からは、スコアは悪くでるということになります。
スマートリングには、このような原因を理解しえるストーリがその他にも沢山入っています。スコアが低い原因が分かるようにできています。このなぜどうしての気持ちで、スコアと真摯に向き合うことで、睡眠と体調が良くなっていくことの助けになっていくと思います。
これが、スマートリングによる睡眠や体調を良くする大きな力です。