あなたのビジネスは、フロービジネス、それともストックビジネス?

ビジネスには、大きく分けてストック型ビジネスとフロー型ビジネスがあります。(こんな単純ことを高校でも大学でも教えていません、ビジネス設計論とかを高校、大学で、教えるべきではないかと今は思っていますが、ま、それはおいといて。。)

ストック型ビジネスの代表例としては、電力・ガス事業、運輸事業、通信事業が挙げられます。
ほぼ毎月決まった収入が入ってきて、契約者が増えれば収益も増えていく事業のことです。このモデルが構築できれば、損益分岐を越えたところから、新規事業へ投資、再投資という高サイクルを廻すことができます。運輸事業でいえば、国土交通省が料金を決めていますから、事業者側で一区間の値段を変更することはできません。鉄道事業は、その沿線住民を増やす戦略を行うことで、安定した収益基盤を確保していると思います。また、放送事業は、電波の利用する権利が必要で、参入障壁も高いたま、他からのビジネスに侵食されにくいことも事業者サイドにたつと良い点となります。

一方、フロー型ビジネスは、売上の増減が激しく、取引が一度きりというビジネスです。フロー型ビジネスであっても、継続性が確保できればストック型ビジネスに近づく訳ですが、競争原理にさらされているので、顧客の奪い合い、あるいはより良い商品が出てくればそちらに流れてしまい、売り上げが落ちてしまうというということになります。テレビ・パソコンのデバイスはどこでも手に入り、組立はアジアで、差別化要因がありません。顧客も目移りがはげしく、ブランディングも効きづらくなってきたということで、儲からない商品になりました。ただ、ニッチな分野、技術力で差別化されるエッジが効いた製品を提供する製造メーカは不況の状態であっても、成長しています。ただ、装置・デバイスの販売では、上流ビジネスですから、流れる水も多くなく、エンドのお客様まで距離があって、何兆円もの大きなビジネスには育ちにくいようです。

ゲーム産業もソニーPS、任天堂wiiのソフトウエアは、売り切り型のフローモデルでした。オンラインゲーム会社が、ゲーム内で少しずつ課金するオンライン課金の仕組みで爆発的に成長をしました。利用料金タダとの触れ込みで使わせて、ゲーム内で利用者から少しずつ巻き上げるモデルが成功をおさめました。これは上記のストックビジネスに近いモデルではないかと思います。全員から料金をいただくことを最初から諦めて、物凄く利用するひとからはたくさん頂戴し、そこそこ利用する人からはそこそこいただくというモデルとなっています。

怖いのは、利用者の飽きです。以前のブログでも書きましたが、ひとはかならず飽きます。飽きたあとに、新しい人が入ってくれば、しばらくのあいだ、ビジネスは維持されますが、飽きる人のほうが入ってくる人よりも大きいならば、そのビジネスの終りが近いということになります。その意味で、最近のゲーム会社の株価は興味深いものがあります。(株価は半年先を先読みして動くと言われます)あと、ゲーム単体の制作費の高騰、ニーズの読み誤り、ゲーム乱立となって、いずれ成熟化していくのかとも予想されます。

で、ビジネスモデルの強い順番に上げるとしたら、言葉は悪いけど、利権に護られたストックビジネス、単純なストック型ビジネス、次にフロー型をストック型に近づけるビジネス、一番良くないのは単なるフロー型ビジネスということになりましょうか。

私もお客様からご相談をお受けするときに、このどこで売り上げに変えるかをいつも話すようにしています。このビジネスモデルの定義が、どこに位置づけることができるかを考えて、お客様と一緒に実践しています。

IT情報サービス、とくにウェブを使った収益を刈り取るモデルは、収益オン型(EC)、広告課金、ニッチなところでは、付加情報の課金型のどれかを組み合わせて、できればフロー型ではないストック型に近い位置づけのビジネスを構築することができるかを実現できるかどうかにかかっていると思います。

 

あなたのビジネスは、フロービジネス、それともストックビジネス?” への2件のコメント

  1. 利権に護られたストックビジネス、単純なストック型ビジネス、次にフロー型をストック型に近づけるビジネス、一番良くないのは単なるフロー型ビジネスと記載されていますが、「フロー型をストック型に近づける」とは・・例えばIT業界では、導入してもらったシステムの保守契約以外に何を近づけられるでしょうか?
    愚な質問で申し訳ございません!

    • 理想は、そのシステムで得られるビジネス収入の%をお支払いくださいではないでしょうか。売り上げ型ウェブサイト(情報商材・書籍販売など)、物販型ウェブサイト(商品の販売)は、この方式で提案をする意味があるのではないかと思います。様々な条件(規模・システム内容)にもより、業務改善・改良のためのコストダウンシステムの場合はなかなか受け入れてもらえないでしょうね。コストダウン金額の%を主張すると、たぶん嫌な顔されると思います。ですので、保守という名称変更によって、ランニングでもらっているのだと理解しています。コストダウン型のITシステム導入で、開発会社がクライアントから比例して取れるモデルを構築することは、良いモデルはないのではないかと思います。

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