電王戦佐藤名人との対局で叩きのめされる場面から始まる。
AIの社会進出の説明。
名古屋のタクシー会社の事例。初心者ドライバが、システムの指示通りに車を走らせると、乗車数が2割もあがる。シンガポールでは、事故が起きる可能性が高いドライバーを事前に見つけ出し、再教育をはかるという紹介。
AI棋士・PONANZA(山本一也 31歳)は2013年に登場して以来、将棋界では負けしらず。PONANZAは過去20年の対局棋譜を5万曲を機械学習させた。
佐藤名人とのPONANZA第1手は、38金。人間では絶対に打たない手を打ってきた。
人間側の常識では絶対に行わない手を打つPONANZA。10手進んだときに「中住まい」で強固な陣営を作りあげた。
人間には思いつかない、独創的な手を打ち込んでくる。
自己対戦で700万局を学習させたという。
人間が1年3000局対戦をしても20年以上かかる対局を学習しおわっている。
羽生名人が仰るには、この対局の一部しか知らないのではないかという。
全国24万台走行するタクシー、名古屋のタクシー会社の紹介映像になる。
名古屋地区を500m区切り、各マスの上に到着人数が現れる。
どの道をどの方向に進むと客を拾う可能性が高いかを、画面に表示する。
普段は通らない道を入ると、予測が的中し、お客さんをすぐに捕まえることができた。
あたかも、天空の目がお客様の位置を教えているようにみえる。
DOCOMOが開発、携帯の位置情報+タクシー会社の乗降記録(1900人分運転手の1年間データ)さらに、天気と曜日によって乗り方がどう変わるかも予測する。
過去のデータよりも、いまの携帯数が多いマスならば、お客様が待っている可能性が高くなる。予測の精度は95%まであげられる。
次いで、金融部門に話がおよぶ。
東証売買の8割が計算機による自動売買。年金の機関投資家の運用をすべて計算機に任せている。野村証券のトレーダーはもはや不要という。野村証券AI導入担当 原田大資さん。株価予測システムは銘柄ごとに5分後の株価を予測する。
東証500銘柄の過去1年間の動き(1ミリ秒単位)と売買データを学習済み。
人間がアクションを取っている間に売買は終了していることになる。
ここでも、将棋同様に、すでに機械VS機械の対戦となっている。
佐藤名人は8手先を見越した手を打つも、PONANZAは一見失敗(相手にみすみす取らせる)したように見えるも、そのうち手ゆえに、PONANZAは見抜いて勝利を納める。
人間が直感で捨ててしまうはずの手をPONAZAエンジン内部は情報として獲得していることになる。人間を超えた動きができるPONAZAの内部構造を、開発者も説明することができないという。なんでここまで強くなるのか、わからなくなってきている。
まさにここが、人に恐怖を与える瞬間であり、AIの怖さに通じる。
人知を超えた知性らしきものを、内部構造に蓄えているように結果として見えるからだ。まさにブラックボックス。答えを示すが、理由は示さないAI.
次いで、アメリカでの再犯罪予測システムに映像が切り替わる。
カルフォルニア裁判所に再犯率予測システムが導入され、どんな傾向のある人が再犯するかを予想する。人の特性・行動パターンなどを学習させてあり、被告の人種、仕事、育成環境などの情報を与えると再犯率が割り出される。再犯率が10%低下し、刑務所のコスト削減につながった。AIが人を判定し、AIが人の運命を決めている。AIが人生を判定するという時代。
日本ではAIが企業の社員を評価する取組がはじまった。医療事務の人材を送りだす会社(ソラスト)では、退職率を下げることが大事という。社員の個別面談を繰り返すも、退職する人を面談では見抜くことができない。社員の表す面談の文章から、退職する可能性のある予兆を見つけて、管理側に伝える。
満足度は4と高いものの、本人が表したたったの2行から予兆があると判断をした。
学習エンジンは、半年間の面談文と退職者。
キーは分解された単語と順番らしい、人間では見抜くことができないパターンを学習している。ここでも退職の理由を提示せず、退職する可能性があると伝える。
「教師データのなかの特徴を捉えるチカラ」は、人間では全く及ばない印象である。
膨大なデータが揃いさえすれば、そのなかから特徴・特性を見抜く能力は計算機のほうが高いことをあらわしている。
次に韓国のAI国家戦略。国家運営に導入しようと計画されている。
「グローバル リーダーズ フォーラム」でAI政治家の発表した。
人工知能に最適予算を配分させようとしている。
人工知能研究所・ベン・ゲーツェル博士は自身が開発したロボットをAI政治家に育てようとしており、世界各国の憲法・法律・国防・最新の経済政策、ネット上の世論などを読み込ませ、5年後の実用化を目指している。政策提言の1つとして提案させ、国民が判断する方式をとる。将来は国民と直接対話を行わせたいとも。
前のブログでも書いたように、「2029年に計算機は一人の脳の計算パワーを抜き、2045年には全人類の10億倍の計算資源に達する」ので、人は計算機が発する内容に従わざるを得なくなるだろうし、そのほうが(幸か不幸か)総じて幸せだったといえる人生になる可能性が高い。(AIの暴走論は横においておく)