『成長戦略Society 5.0』が発表された

一人あたりのGDPは年々下がっている(世界27位)。少子高齢化であってもGDPを上昇させるのは、生産性を高めるしかない。日本GDPは、2次産業2割、3次産業が6割であり、3次産業側に、さらにシフト中である。3次産業をサービス産業とみなすと、マンパワーに依存する、現状、生産性向上を望めない。ここで、サービス産業の機械化を押し進めると、(たぶん)人の仕事はなくなる。

1900年初頭、人類は移動力を大幅に向上させた。蒸気機関による力、馬による耕しもトラクターに代わり、船から飛行機に変わった。2029年に計算機は一人の脳の計算パワーを抜き、2045年には全人類の10億倍の計算資源に達する。人間が行っている単純な作業の大部分は、ことごとく計算機で置き換わると予想できる。たったの20年の間に、劇的な変化がおきる。過去にエネルギー政策で人の力を大きく伸長させたが、今回は、人の知性を大きく置き換える可能性が高い。

サービス産業の機械化が進むと、人の作業を奪う。人で行う費用より、装置の製造・保守費が、はるかに小さくなるからだ。人は仕事場に不要となるので、一人あたりの所得も下がると予想する。歴史を振り返ると、外国の安い労働賃金を狙い、外へと向かっていたが(帝国主義・植民地化)、いずれ外国の賃金も上昇し、均衡し立ち行かなくなる(地球は有限)。外に向かう意味が見いだせなくなるので、たぶん国内のさらなる機械化に拍車がかかる(機械を奴隷をみなすか)。おそらく、今後、機械化による供給力は、需要力をいとも簡単に賄ってしまう可能性をもつ。そうなれば、さまざまなサービス単価は下がり、価格0に向かう、フリー世界となる。

そう思うと、機械化が進んでも、供給力を急激に上げないか、価格を急激に下げさせない工夫が必要と思う。先進国が一斉にこの機械化の供給力向上目指すと、余剰したサービスは世界にあふれかえる。機械の労働に税?をかけて、国が吸い上げることが求められるだろう(世界同時進行なので国レベルで解決できないとも思う)。そこで産まれた富を、国内の人に還元できるだろうか。そうなると、いよいよベーシックインカム、広い薄い保障制度の登場となる。毎月どの位あると最低生きていけるか、仮に月10万円とすると、1.2億人*10万円*12か月なら144兆円。対象を生産労働人口7700万人に限ると、92.4兆円。完全失業者数(2.8%)200万人に限れば、2.4兆円である。この機械化による産業が、144兆円の法人税を得るには、経常利益360兆円を産むことになる、営業利益20%なら新産業の売上は1800兆円が必要となり、全くもって現実的でない。単なる数字遊び、机上の空論と叱られそうだ。全部は無理としてもこの1/10規模ならどうだろうか。180兆円の新産業を作りだせると、国民の1/10にBIを提供できる。

今後数十年で、サービス労働の機械化が進み、人の労働が総じて小さくなりだす前に、色々なサービスが、フリーに向かうとすると、その財政を支えるのは誰?となるはずで、プロセスのなかで新たな仕組み(税?・法律?)の議論が必要だ。先進国では競争が起こり、一斉一様に機械化(AI)が進み始めるので、どこかが独り勝ちにもいかないだろう。その一方、既に気づいているgoogle,FB,amazon などのAIへの投下資金を思うと、彼らの会社自体が、国家を越えてしまう。(ネット広告は既にgoogle社の売上となっているので、日本財は既に米国に流れている)

このままでは、日本企業は、これらの先端技術系の企業群の下請けになってしまう。もっというと、下請けにもなれないで、日本財がこうした企業に、吸い取られてしまう可能性があるのではないか。本来、日本は、新しい仕組・プラットフォームを提供するサービス会社を、グローバルに成長させて、国外からお金を吸い上げる仕掛けが必要である。

5月30日に発表されました、 日本経済再生本部 、未来投資会議(第9回)配布資料が、こちらにあります⇒資料

 

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