IT×国土強靭化計画 なんかスーパーマンが必要そうだ。

前回機械(コンピュータ)が、人の労働を奪うという記述をしました。

自民党からICT提言書が出されています。

新たなICT戦略に関する提言

デジタル・ニッポン2013 -ICTで、日本を取り戻す。-

ITという表現を使って、社会全体のコストを抑えるという意味における政策なのかと思って読み始めました。冒頭のタイトルには、ICTによる経済成長、雇用拡大という文字が踊っています。経済成長、雇用拡大という言葉と、ITとは、一般的には相性が悪いはずなのに、これは興味深いと思い、どのような政策が語られているのかと読み進めました。

『IT×どこそこ分野』という組み合わせで説明される場合、その分野をデジタル化しましょうよ、きっと、いいことがありますよといったニュアンスで使われるのだと思います。現時点で非効率な分野があって、ITという魔法をかけてみると、いろいろなと効率的になりますよという使い方をすることが多いと思います。その場合、コストダウンができたり、無駄がなくなったりという話になるのだと思うので、経済が成長しますよとか、雇用が拡大しますよという文脈で使わることは少ないのではないでしょうか。

まず、ここにある「はじめに」の3ページは、正直、面白すぎるぞーという印象です。モバイル通信速度は、ハイハイからジャンボ・ジェットへ、ITは球団を3社持っている、自民党という公式資料の冒頭で、なされる説明として、むむむと思える内容からはじまっています、ウケました

IT×国土強靭化という発想って、なによそれ、これもなんとなく怪しさを感じます。古くなった橋げたに光ファイバーを張りつけて、光測定した結果をみて、そろそろ新しくしようとか。しかし、老朽化というのは、築年数や構造から、単純に決められないものでしょうか。そもそも築100年と分かれば、古い順番に新しくしていけばいいものでもないのかと思います。

はたして、経済の合理性はあるのでしょうか。

その強靭化工事の費用に、A兆円、日々状態を監視するのにB兆円がかかるのでしょう。一見すると、新産業における雇用を生み出す政策のようにも思えます。これって、建物の古い順番に補強したり、いずれ壊して直せばいいのではないでしょうか。本当に駄目ならば、すぐに対応すべきではないでしょうか。

社会的に合理性があるかの計算法は知りませんけれども、社会全体での公共投資額は、この強靭化により、下がると信じていいのですよね。つまり、今後おこなわれる橋梁改修構築費用は、A+B兆円以上に小さくなるので、強靭化工事を行うべきということをおっしゃっていると理解しました。しかしながら、普通に考えますと、強靭化のためのコストは、改修・更新のコストは下げることはないと考えるべきでしょうから、この政策は税金の使い方として、いかがなものでしょうか。